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フィンエア

出発後1時間ほどで食事。そばはねっとり感がなくてエコノミー席の機内食としては合格ライン。メインはカツ丼。ちゃんととんかつだったが、卵部分が醤油味が少なく、かわりになぜかこちらにもっちり感。でもおいしくいただきました。

続いて読書。「フィンランド 森と街に出会う旅」(鈴木緑著・東京書籍)を一気に。フィンランドに関するアウトラインの復習的な読み方で。続いて持ち込みの文庫本。今回は岩波文庫の「漱石文明論集」(三好行雄編)。ロンドンへの留学が自己意識改革のきっかけとなった文豪による、文明論を読んでおきたいと思って。400ページほどの本なので、その中の数編を読んで休憩。

その後講談社の雑誌クーリエ・ジャポン。表紙のリチャード・ブロンソン=英ヴァージン・グループ会長はついに宇宙旅行の民営化を目指しているとの記事。同時にNASAによる月面着陸以来の30年を批判。あらためて、民間の力のすごさを感じる。

そんなこんなのフライトだったが、一般的にファンの多いフィンランド航空への期待が高かった僕も、つい笑ってしまうような事態にあうはめに。ひとつは座席。各座席後部に液晶ディスプレイがついているのは最近増えてきているので、「ああやっぱりフィンエアだな」と小さな感動で終わったのだが、しばらくしてライトもディスプレイも動かないことに気づき、やむなくアテンダントに相談。「では後ろの席に」と言われて移動したものの、ここも結局ライトがつくだけで、今回の10時間のフライトは映画なしで過ごした。その分読書が進んだけれど。

もうひとつは乗客が水をこぼした時。カーペット状の床に流れる水を、フィンランド人のアテンダントはなんと足でゴシゴシと隠してしまった。これも「ああ、まあこんなんだよな」と好意的に見れてしまうのは、フィンランド航空がブランド化に成功しているからだろう。これは直さなくていいので続けてください。気楽でいいです。

ひとつ感心したのは、ヘルシンキからオウルまでのエアバス内で出された食事のプレートが紙製でリサイクル可能だったこと。食事後の集膳時にカート上の手元で分別していくさまを見て、その手際の良さにエコへの意識の高さを感じた次第。

 

Jan10

欧州の新しい玄関

ヘルシンキ到着時は雨。雪じゃないんだと意外に思ったが、今たまたま雪でなくて雨になっていたようで、地面も屋根にも雪はしっかり積もっている。時刻は1530だというのにもう薄暗い。空港内のショップは、ムーミンショップを含め結構な賑わい。

日本人観光客もずいぶんいて、周りでは日本語が聞こえてくる。成田、大阪、名古屋から欧州のハブ空港を目指すヘルシンキ(ヴァンター)空港は、広告の文句ではないが、まさに「日本から一番近いヨーロッパ」の空港にふさわしい活気だ。マリメッコで神経衰弱ゲーム(17ユーロ)を買い、ゲート20へ。

 

Jan10

流儀

ヘルシンキ空港で興味深いものを2つ発見。ひとつは電源。IT先進国のフィンランドだが、携帯電話やノートパソコンの充電を空港でみんな自由にしている。あとで大学の図書館で見たら、座席の横にはたいてい電源が準備してあった。もうひとつはキッズスペース。今公共の場所では見ることが多く、セントレアにも設置してあるが、ヘルシンキのそれはおもちゃが木材でできたものがたくさん準備してあった。こんなところにも北欧流が見てとれて楽しい。

 

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